目次
概要
「追加ストレージ(NFS)」は、さくらのVPSで作成された仮想サーバにストレージを追加できるサービスです。さくらのVPSのコントロールパネルからお客さまのプライベートなローカルネットワーク内に、NFS(Network File System)のプロトコルに対応した追加ストレージを作成できます。
前提条件・事前確認
・追加ストレージ(NFS)は以下のサービスでご利用いただけます。
「さくらのVPS」のV3以降(大阪リージョンを除く、2012年3月29日以降のプランにて申し込まれたサーバ)
「さくらのVPS ベアメタル」
「さくらのVPS for Windows Server」
・追加ストレージ(NFS)はローカルネットワークで接続するため「スイッチ」が必要です。また、追加ストレージ(NFS)とスイッチは、接続するサーバと同一リージョンで作成してください。
・お支払い方法に「クレジットカード」を選択した場合のみ、2週間のお試し期間をご利用いただけます。
・電話認証を行われていない場合は、お申し込み前にお手続きください。
・お試し期間中の機能制限はございません。お試し期間中に利用方法などのご確認をお勧めいたします。
事前準備
スイッチの作成
さくらのVPSのご利用環境においてスイッチが未作成の場合は、以下のマニュアルをご参考いただき作成ください。
サーバとスイッチの接続
サーバとスイッチが未接続の場合は、以下のマニュアルをご参考いただき接続を行なってください。
追加ストレージ(NFS)の作成
(1)さくらのVPSのコントロールパネルへ「会員ID」と「会員メニューパスワード」を入力してログインします。
会員ID | お客様の会員ID(例:nnn12345) |
パスワード | 会員メニューパスワード お申し込み時にお客様にて決めていただいた任意のパスワード。 紛失された場合は「会員メニューパスワードの変更・再発行」をご確認ください。 |
(2)[追加ストレージ(NFS)]を選択して右上の[追加]をクリックします。
(3)追加ストレージ(NFS)のゾーンとプランを選択し、ネットワークなど設定に関する情報を入力します。
ゾーン (※) | 追加ストレージ(NFS)を作成するゾーンを選択します。 |
プラン (※) | 追加ストレージ(NFS)のプランを選択します。 |
名前 / 説明 | コントロールパネルで管理する際に分かりやすい名前や説明を入力します。 |
IPアドレス (※) | ローカルネットワークのIPアドレスを入力します。 |
ネットマスク (※) | ローカルネットワークのネットマスクを入力します。 |
(※)は必須項目
(4)「支払い方法」を選択します。選択した支払い方法に関する情報が表示されますので、内容をご確認ください。また、「クーポン」をお持ちの場合はご入力ください。※お試し期間は「クレジットカード」を選択した場合のみご利用可能です。
※「銀行振込」「請求書払い」をご選択の場合、弊社にて入金が確認でき次第、NFSが利用可能となりますのでご注意ください。入金が確認できるまでは「準備中」のステータスとなります。
(5)[申し込み]をクリックすると、支払い方法に関する確認画面が表示されます。(画像はクレジットカードで支払いを選択した場合)
(6)ページ下部に約款について記載があります。内容を確認し、同意いただけましたら[同意する]にチェックを入れてください。
(7)[申し込む]ボタンをクリックすると追加ストレージ(NFS)のお申し込みは完了です。[準備中]が[停止中]になればご利用可能です。
追加ストレージ(NFS)とスイッチの接続
(1)コントロールパネルにログインして[追加ストレージ(NFS)]をクリックします。表示された追加ストレージ(NFS)の一覧から、スイッチと接続するサービスをクリックします。
(2)[設定]の[ネットワーク接続]をクリックします。
(3)接続するスイッチを選択し、[接続先を変更する]をクリックします。
(4)ネットワークインターフェースの[接続先]にスイッチが表示されていれば接続は完了です。
(5)[起動]をクリックして追加ストレージ(NFS)を[停止中]から[稼働中]の状態にします。
マウントするサーバの設定
ネットワークインターフェースへのローカルIPアドレス設定
VNCコンソール等でサーバにログインし、コマンドによる編集や設定ファイルの編集・新規作成を行います。
- 【設定例】ネットワークインターフェース(eth1/ens4)にローカルIPアドレス「192.168.1.1」とネットマスク「255.255.255.0」を設定した後、追加ストレージ(NFS)のローカルIPアドレス「192.168.1.2」へ疎通確認をする。
[CentOS 6] 設定ファイルを編集(または新規作成)する $ vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1 DEVICE="eth1" IPADDR="192.168.1.1" NETMASK="255.255.255.0" ONBOOT="yes" TYPE="Ethernet" 設定を反映させる $ ifup eth1 反映後の確認方法 $ ifconfig eth1 eth1 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX inet addr:192.168.1.1 Bcast:192.168.1.255 Mask:255.255.255.0 $ ping 192.168.1.2 pingの応答がない場合、eth1が追加ストレージ(NFS)と同じスイッチに接続されているか確認してください。
[CentOS 7] NICの確認 $ nmcli device show eth1 GENERAL.DEVICE: eth1 GENERAL.TYPE: ethernet GENERAL.HWADDR: XX:XX:XX:XX:XX:XX GENERAL.MTU: 1500 GENERAL.STATE: 30 (disconnected) ←デバイスが切断された状態 GENERAL.CONNECTION: -- GENERAL.CON-PATH: -- WIRED-PROPERTIES.CARRIER: on NICを接続する $ nmcli connection add type ethernet ifname eth1 con-name eth1 NICにローカルIPアドレスを追加する $ nmcli connection modify eth1 ipv4.method manual ipv4.addresses "192.168.1.1/24" ipv6.method "ignore" 追加後の確認方法 $ nmcli device show eth1 GENERAL.DEVICE: eth1 GENERAL.TYPE: ethernet GENERAL.HWADDR: XX:XX:XX:XX:XX:XX GENERAL.MTU: 1500 GENERAL.STATE: 100 (connected) ←デバイスが接続された状態 GENERAL.CONNECTION: eth1 GENERAL.CON-PATH: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/XX WIRED-PROPERTIES.CARRIER: on IP4.ADDRESS[1]: 192.168.1.1/24 ←ローカルIPアドレスが設定されている IP4.GATEWAY: -- IP6.GATEWAY: -- $ ping 192.168.1.2 pingの応答がない場合、eth1が追加ストレージ(NFS)と同じスイッチに接続されているか確認してください。
[Ubuntu 16.04] NICに割り当てられたインターフェース名称を確認する $ ip address show 1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1 link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 inet 127.0.0.1/8 scope host lo valid_lft forever preferred_lft forever 2: ens3: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000 link/ether 9c:a3:ba:01:ad:c4 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet XXX.XXX.XXX.XXX/23 brd 160.16.51.255 scope global ens3 valid_lft forever preferred_lft forever 3: ens4: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000 link/ether 9c:a3:ba:03:34:64 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 4: ens5: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000 link/ether 9c:a3:ba:04:bb:04 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 設定ファイルを編集する $ sudo vi /etc/network/interfaces auto ens4 iface ens4 inet static address 192.168.1.1 netmask 255.255.255.0 設定を反映させる $ sudo ifup ens4 反映後の確認方法 $ ip address show 1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1 link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 inet 127.0.0.1/8 scope host lo valid_lft forever preferred_lft forever 2: ens3: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000 link/ether 9c:a3:ba:01:ad:c4 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet XXX.XXX.XXX.XXX/23 brd 160.16.51.255 scope global ens3 valid_lft forever preferred_lft forever 3: ens4: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000 link/ether 9c:a3:ba:03:34:64 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.168.1.1/24 brd 192.168.1.255 scope global ens4 valid_lft forever preferred_lft forever 4: ens5: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000 link/ether 9c:a3:ba:04:bb:04 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff $ ping 192.168.1.2 pingの応答がない場合、ens4が追加ストレージ(NFS)と同じスイッチに接続されているか確認してください。
サーバに追加ストレージ(NFS)を認識させる
必要なアプリケーションをインストールし、追加ストレージ(NFS)をマウントします。
- 追加ストレージ(NFS)のエクスポートディレクトリは「/export」です。
- 【設定例】追加ストレージ(NFS)のローカルIPアドレスが「192.168.1.2」で、/mntディレクトリにマウントする。
[CentOS 6] $ yum -y install rpcbind nfs-utils $ chkconfig netfs on $ mount 192.168.1.2:/export /mnt [CentOS 7] $ yum -y install rpcbind nfs-utils $ mount 192.168.1.2:/export /mnt
[Ubuntu 16.04] $ sudo apt update $ sudo apt -y install nfs-common $ sudo mount -t nfs 192.168.1.2:/export /mnt
マウントの確認
マウントの状態は、dfコマンドやmountコマンドで確認できます。「192.168.1.2:/export 〜」のように追加ストレージ(NFS)のローカルIPアドレスが表示されていればマウント完了です。
$ df Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/vda3 18193828 1702472 15560492 10% / tmpfs 250952 0 250952 0% /dev/shm /dev/vda1 243823 66289 164734 29% /boot 192.168.1.2:/export 100762112 1727616 93909376 2% /mnt $ mount /dev/vda3 on / type ext4 (rw) proc on /proc type proc (rw) sysfs on /sys type sysfs (rw) devpts on /dev/pts type devpts (rw,gid=5,mode=620) tmpfs on /dev/shm type tmpfs (rw) /dev/vda1 on /boot type ext4 (rw) none on /proc/sys/fs/binfmt_misc type binfmt_misc (rw) sunrpc on /var/lib/nfs/rpc_pipefs type rpc_pipefs (rw) 192.168.1.2:/export on /mnt type nfs (rw,vers=4,addr=192.168.1.2,clientaddr=192.168.1.1)
システム起動時に追加ストレージ(NFS)を認識させる
サーバを再起動した際、追加ストレージ(NFS)を自動でマウントするように「/etc/fstab」ファイルを編集します。
[CentOS] $ vi /etc/fstab [Ubuntu] $ sudo vi /etc/fstab 以下を追加する 192.168.1.2:/export /mnt nfs defaults 0 0
補足事項
追加ストレージ(NFS)に接続できなくなった場合
追加ストレージ(NFS)をハードマウントしている場合、追加ストレージ(NFS)が収容されているホストサーバ側にメンテナンスなどが発生した際、マウントしたサーバから接続できなくなることがあります。
この場合は一度マウント状態を解除した後、再度マウントしてください。
[CentOS] $ umount -l /mnt/ $ service netfs restart $ mount 192.168.1.2:/export /mnt [Ubuntu] $ sudo umount -l /mnt/ $ sudo mount -t nfs 192.168.1.2:/export /mnt
追加ストレージ(NFS)の解約方法
解約のお手続きを行っても、契約期間中は追加ストレージ(NFS)のご利用は可能です。
なお、契約期間が終了した場合は、追加ストレージ(NFS)内に保存されているデータが削除されます。契約期間の終了までに必要なデータをお客様にて取得してください。
(1)解約する追加ストレージ(NFS)をクリックします。
(2)[解約]をクリックします。
(3)画面が「会員メニュー」の「サービス解約-個人情報収集同意」に切り替わります。
以降のお手続きは「サービスの解約」にある「サーバ系サービスの解約」の[4]からご参考ください。