http://tanaka.sakura.ad.jp さくらインターネット創業日記: 2009年10月アーカイブ

2009年10月アーカイブ

今回、お客様のシステム運用・保守を行う、マネジメントサービス(MSP)への進出を発表しました。
MSPサービスの提供にあたっては、米国のNetEnrich社と提携を行い、インドのオフショア拠点を活用して、ハイエンドな技術者による24時間365日のサポート体制を実現します。

「NetEnrich 株式会社とのマネジメントサービスプロバイダ事業に関わる業務提携に関するお知らせ」
http://museum-web2.sakuraha.jp/19990125102957/ir/news/archives/20091029-001.news

当社においては、昨年2月に双日株式会社への第三者割当を行い、双日グループの一員として事業の拡大を進めてきましたが、同じく双日グループであるNetEnrich社との提携により、グループ内でのシナジー効果を生み出せるものと考えています。

現在、高付加価値サービスの代名詞として参入が伸びゆくMSPですが、当社の場合はオフショア拠点活用によるコストパフォーマンスの最大化と、データセンターとのワンストップ体制による柔軟かつ迅速な運用保守体制を武器として、先行する事業者に対する大きな差別化が可能であろうと考えています。

今後、ハウジングやホスティングサービスの拡充と並行し、MSPという新たな事業の柱を育て上げ、IT企業のみならず、一般企業のIT需要を取り込める体制を構築していきます。

本日、今期の第2四半期決算短信を発表致しました。
売上については、企業のIT投資抑制などの影響がありながらも、前年同四半期比8.8%の増収となりました。
また利益については、売上が増加しつつも経費が抑制できたことなどにより、営業利益が前年同四半期比36.6%増、経常利益が前年同四半期比43.2%増となりました。
四半期純利益については、今後の新サービス投入を見据えて販売管理システムを保守的に減損したことにより、前年同期比73.9%減となっています。
通期については先日のブログ記事でも書かせていただいた通り、オンラインゲーム事業の終了や、販売管理システムの減価償却費の減少など増益に結び付く要因がありつつも、一部の経費が第3四半期以降に繰り越されたことなどの経費増の可能性を勘案し、営業利益・経常利益のみ若干の上方修正としました。
データセンター・ホスティング市場においては、価格競争が激化しておりますが、応援いただいた皆さんのおかげで、予想を上回る進捗となっていることを、大変感謝いたしております。


今期
平成22年3月期
前期比 平成22年3月期
業績予想

前期
平成21年3月期
売上高 38億2,000万円 8.8% 77億円 35億1,100万円
営業利益 2億7,100万円 36.6% 4億2,000万円 1億9,800万円
経常利益 2億5,400万円 43.2% 3億9,000万円 1億7,700万円
四半期純利益 4,700万円 - 3億2,000万円 1億8,200万円
(100万円未満切捨て)

サービス別に見ますと、ハウジングサービスについては競合企業のデータセンター新設・増床による価格競争の激化で厳しい競争環境にありますが、営業活動に注力し前年同四半期比4.9%増となりました。
専用サーバサービスについて、他事業者によるコピーキャットなどの影響を受けつつも、新サービス投入やサーバのモデルチェンジなど、積極的にサービス改善を続けた結果、前年同四半期比16.3%増と、引き続き2ケタ成長となりました。
レンタルサーバサービスについては、昨年の11月に行ったサービスリニューアルや、年初の新プラン投入などが功を奏し、前年同四半期比25.8%増と、専用サーバサービスと同じく2ケタ成長となりました。
その他サービスについては、サーバ構築コンサルティングやドメイン取得代行が好調ではありましたが、前年同四半期には大型特需が発生していたことから、反転して前年同四半期比8.8%減となりました。

平成22年4月- 9月のサービス別売上
ハウジング 専用サーバ レンタルサーバ その他
14億9,382万円 12億4,191万円 5億6,382万円 5億2,118万円
4.9%増 16.3%増 25.8%増 8.8%減

一昨年の社長復帰以来、財務体質改善を進めてきましたが、投資有価証券の処分やソフトウェア資産の整理により資産の健全化を実現するとともに、短期借入金の完済やリース負担の軽減など負債の部についても改善し、財務体質はより安定したものとなりました。
そのうえで、今期からは3カ年の中期計画を策定し、平成24年3月期には売上高100億円、経常利益10億円の目標を設定し、成長目標を明確化しました。

第10期(平成21年3月期)決算説明会資料

10月には中期計画に則って、開発部の新設など組織改編を行い、東京拠点の統合も完了し、販売管理システムの更新に向けた足掛かりもできました。
当社としても、ようやく環境が整い、再びチャレンジを行える状況となりました。
今後、インフラを預かる企業としての安定性をもちつつも、ベンチャー企業としての積極的な姿勢と両立させ、大きく成長したいと考えていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

本日、今期の決算予想修正の発表をいたしました。

昨今のクラウドコンピューティングの流れや、データセンターの底堅い需要などにより、第2四半期までの営業利益・経常利益とも、予想を大きく上回りました。
その上で、サービスの提供形態や、課金体系の多様化など、複雑化する顧客ニーズへ柔軟に対応できるITシステム構築を見据え、販売管理システムを減損することといたしました。

通期については、オンラインゲームの終了、データセンター運営効率のさらなる改善や、販売管理システム減損に伴う減価償却負担の軽減などの要因があるものの、新サービス投入にともなう経費増やサーバ機器類購入費用の増加を勘案し、営業利益・経常利益のみ若干の上方修正としました。

今後、クラウドコンピューティングの流れが加速する中、少額課金やオンライン契約などでノウハウを持ち、自社でデータセンターやインターネットバックボーンを運営しつつ、ホスティング分野での圧倒的な実績を持つ当社は、他社に比べても大きな強みを有していると考えております。
この強みを最大化し、クラウドの雄として、さらなる成長を目指しますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

すでにご存じのことと思いますが、9月30日をもってダンジョンズ & ドラゴンズ・オンライン(DDO)および、ロード・オブ・ザ・リングス オンライン(LotRO)の提供を終了させて頂き、オンラインゲーム事業から撤退しました。
今までのご愛顧に対して、お客様はじめ、関係者の方々に大変感謝致します。
また、DDO、LotROを支え続けてきた日本語版スタッフの皆さん、おつかれさまでした。

私は、LotROのAeglosサーバで、Licoとしてプレイをしてきました。
2年くらいのプレイでしたが、プレイヤーの皆様の協力もあって、無事レベル50でカンストし、その後もカルン・ドゥームなどのエリートがうようよしているところで、様々な人に助けて頂くなど、大切な思い出となっております。

なお、LotROについては、昨年末より「モリアの坑道」導入準備をすすめ、あとはリリースだけというところまで来ていましたが、最終段階で開発元からの許可を得られず、日の目を見なかったことが残念でなりません。これについて、力及ばず有終の美と行かなかったことを申し訳なく思います。

さくらインターネットはオンラインゲームから撤退しますが、データセンター・ホスティング分野ではまだまだ頑張っていきたいと思っていますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

自己紹介

本名:田中邦裕/1978年生まれ
1996年にさくらインターネットを創業しホスティングサービスを開始。 98年に有限会社インフォレスト(2000年に解散)設立後、翌年にさくらインターネット株式会社を設立して社長に就任。
05年に東証マザーズに上場
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