http://tanaka.sakura.ad.jp さくらインターネット創業日記: 2010年9月アーカイブ

2010年9月アーカイブ

自宅やホスティングなどにおいてCentOSなどのLinuxを利用する人が増えてきました。
最近では格安VPSも増え、さくらインターネットのVPSなど、個人で利用できる安価でパフォーマンスの高いLinux環境が簡単に手に入るようになりました。
このようにサーバを活用する人が増えることは喜ばしい事ですが、いつの間にか乗っ取られていたり、大量のアクセスが来てダウンしてしまったり、自宅のパソコンとの違いに驚く人も多いようです。

今回は、CentOSをサーバとして利用する際に、最初にやっておきたい基本的な設定について解説をします。

本解説は特にさくらのVPSに限ったものではなく、CentOS全般を対象にしています。
さくらのVPSのデフォルトでは、多くのデーモンを停止済みにしているほか、selinuxもdisabledとなっています。

それではみていきましょう。

  1. まず最初にsshのポート番号を変更します。
  2. ポート番号の変更は必ずしないといけない訳ではないですが、簡単にできる攻撃対策です。
    インターネットでは、全世界の22番ポートをくまなく調べ、セキュリティホールのあるサーバが無いかチェックしているロボットがいます。
    もちろん、どうしてもあなたのサーバを落としたい!というロボットがいたら別ですが、普通のロボットは無差別なIPアドレスへポート22固定で攻撃をしてきますから、22番ポート以外に変更することは非常に効果があります。

    /etc/ssh/sshd_config

    #Port 22
    Port 10022

    今回は10022番ポートに変更しました。
    再起動されれば変更が反映されます。

  3. 次に公開鍵認証でssh接続するように変更します
  4. sshでは公開鍵を利用してパスワードを使わずに接続することが可能です。
    具体的にはクライアントでキーペア(秘密鍵と公開鍵)を生成し、サーバには公開鍵だけを登録することで達成できます。
    キーペアの生成方法はクライアントによって異なりますが、teratermの場合でしたら「設定」→「SSH鍵生成」で生成できます。
    もしクライアントがLinuxやFreeBSDなどでOpenSSHを利用しているのであれば、以下のようにして生成を行います。

    # ssh-keygen
    Generating public/private rsa key pair.
    Enter file in which to save the key (/root/.ssh/id_rsa):
    Enter passphrase (empty for no passphrase):
    Enter same passphrase again:
    Your identification has been saved in /root/.ssh/id_rsa.
    Your public key has been saved in /root/.ssh/id_rsa.pub.
    The key fingerprint is:
    ・・・・

    次に生成された公開鍵をサーバにセットします。

    # cat >> ~/.ssh/authorized_keys
    ssh-rsa AAAAB3NzaC1yc2EAAAABIwAAAQEArg5hePwQQPJKWvlNFGi4TArKI2kB
    e4pZNGY/KeEYp3JkmRbcFgThliRmaCVUauCYvSddenbuwF5jytP8py5JtYNaUOnEO
    J4JU5298dA1Ul2rrft9B+GcEN1tYL4iJStMi4gkK1234567890/3rD+0bfEv5M6PwgRhy6
    gE3LrYw+hpigyi7EChcgtv0e205fDUFcenArrjgGxz9Vw5edz7pHA9dSHLveLanrxNu0p
    Ry5KYH49IdSp141TcQXm1xL/l/3erH+pnoG4taDjH3LIdC8BglZzVPbuO5jySW62ciRw
    QFguH7hzp/Uily3pbsmy0EtAjIcrZ5SCUe7rXLHlfQ== tanaka@tanaka-PC
    ^D
    #

    これで公開鍵を利用したログインが可能になります。

    ただ、ここで安心してはいけません。
    今の状態は、公開鍵"でも"ログインできる状態なだけで、公開鍵"でしか"ログインできないわけではありません。
    これを変更するには、再度sshの設定を変更します。

    /etc/ssh/sshd_config

    PermitRootLogin without-password

    このあとでsshdを再起動すれば、rootログインは公開鍵認証でのみ行えるようになります。

    なお、root以外のユーザにおいても公開鍵のみのログインにしたい場合には、以下のような設定を行います。

    PasswordAuthentication no

    これで、SSHログインは全てのユーザにおいてパスワード認証が無効化されました。

  5. 次にiptablesを設定します。
  6. 基本は、sshとhttp以外は通さないようにするのが吉ですし、sshについては自宅や会社、レンタルサーバなどのIPアドレスからのみ接続できるように設定したほうが良いでしょう。
    以下の例では、httpのみどこからでも接続できるように設定し、sshは210.224.160.0/19からのみ、それ以外のポートは閉じる設定です。

    /etc/sysconfig/iptables

    *filter
    :INPUT ACCEPT [0:0]
    :FORWARD ACCEPT [0:0]
    :OUTPUT ACCEPT [0:0]
    :RH-Firewall-1-INPUT - [0:0]
    -A INPUT -j RH-Firewall-1-INPUT
    -A FORWARD -j RH-Firewall-1-INPUT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -i lo -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -p icmp --icmp-type any -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -p 50 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -p 51 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -p udp --dport 5353 -d 224.0.0.251 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -p udp -m udp --dport 631 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -p tcp -m tcp --dport 631 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -m state --state ESTABLISHED,RELATED -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 80 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -s 210.224.160.0.0/19 -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 10022 -j ACCEPT
    -A RH-Firewall-1-INPUT -j REJECT --reject-with icmp-host-prohibited
    COMMIT

  7. 次に不要なデーモンをストップします
  8. ここからはパフォーマンスの設定です。
    CentOSデフォルトでは、びっくりするくらいのサービスが動いています。これらのほとんどはサーバに必要ないものですので、ざっくりoffにしましょう。

    chkconfig auditd off
    chkconfig autofs off
    chkconfig avahi-daemon off
    chkconfig bluetooth off
    chkconfig cups off
    chkconfig firstboot off
    chkconfig gpm off
    chkconfig haldaemon off
    chkconfig hidd off
    chkconfig isdn off
    chkconfig kudzu off
    chkconfig lvm2-monitor off
    chkconfig mcstrans off
    chkconfig mdmonitor off
    chkconfig messagebus off
    chkconfig netfs off
    chkconfig nfslock off
    chkconfig pcscd off
    chkconfig portmap off
    chkconfig rawdevices off
    chkconfig restorecond off
    chkconfig rpcgssd off
    chkconfig rpcidmapd off
    chkconfig smartd off
    chkconfig xfs off
    chkconfig yum-updatesd off

  9. 要らないコンソールを無効にします
  10. /etc/inittabを以下のようにコメントアウトしましょう。

    #2:2345:respawn:/sbin/mingetty tty2
    #3:2345:respawn:/sbin/mingetty tty3
    #4:2345:respawn:/sbin/mingetty tty4
    #5:2345:respawn:/sbin/mingetty tty5
    #6:2345:respawn:/sbin/mingetty tty6

  11. selinuxを無効にします
  12. selinuxについても、一般的なウェブサーバでは不要でしょうから、offにします。
    /etc/sysconfig/selinuxのSELINUX=enforceを以下のように書き換えれば完了です。

    SELINUX=disabled

    selinuxがoffにすることで、幾分パフォーマンスが向上するそうです。

これで設定は完了です。
再起動を行うことで、全ての設定変更が反映されます。
sshdのポートが変わっていますから、あせらず新しいポートへ接続してみてください。

さて今回、後半に解説したパフォーマンス改善は意外と見落としがちのことです。
今回は512MB搭載した64ビットの仮想環境(VPSでは無い)で実験しましたが、起動時間、空きメモリ共に大きな改善が見られました。
起動時間はチューンナップ前が61秒だったのに対し、チューンナップ後は41秒と3割以上も短縮されました。
メモリの使用量についても、チューンナップ前が219MBだったのが144MBにやはり3割以上も削減されました。

変更前のfree結果

[root@localhost ~]# free
total used free shared buffers cached
Mem: 510008 219440 290568 0 12284 126340
-/+ buffers/cache: 80816 429192
Swap: 1048568 0 1048568

変更後のfree結果

[root@localhost ~]# free
total used free shared buffers cached
Mem: 510008 144544 365464 0 10220 109736
-/+ buffers/cache: 24588 485420
Swap: 1048568 0 1048568


最近では自宅サーバの搭載メモリも増えましたし、さくらのVPSやSaaSesなどスワップが利用できるVPSも増えてきましたので、以前ほどはメモリ不足に悩まされる機会も減りました。
しかし、古いマシンを活用する場合や、OpenVZ系VPSのServersman@VPSなどスワップが利用できないサービスの場合には、メモリ不足に悩まされる方も多いと聞きます。
このようなときに、上記のようなチューンナップを行うことによって、エラーに悩まされることなく利用できるようになるでしょう。

なお、CentOSの場合にはインストール時にDesktopとかServerとか選択せず、X-Window Systemも入れるべきではありません。
また、64bitのOSは高速ですがメモリを多く消費するので、メモリの少ない環境(2GB以下)の場合には32bit版の活用も検討すると良いと思います。

最後になりますが、改めてパフォーマンスと併せてセキュリティに関心を持ってもらえればと思います。
以前友達のパソコンにLinuxをインストールしていた時のこと、アップデートをしている間に裏でクラックされていたなんて笑えない話もありました。
最近のパッケージはそれなりに初期状態からしっかりしていますが、周りの人に迷惑をかけないためにも、きっちりとサーバ管理を行われることをお願いします。

さくらインターネットでは、先日より「さくらのVPS」を提供開始し、予想を上回る大ヒットサービスとなっています。
特徴を言い始めるとキリがありませんが、国内の格安VPSとしては初めてKVMの完全仮想化を実現し、インストールできるOSの可能性は大きく広がっていることも大きな特徴の一つでしょう。
そのようなことから、近日中にも、Ubuntu、Debian、Fedora、FreeBSDなどの様々なOSを、コンパネ上から自由にインストーラーを起動できるように準備を進めております。

ただ、本日は「正式対応まで待てない!」という人のために、さくらインターネットの1ユーザとしての立場からFreeBSDのインストールを試した際の作業メモを公開します。
なお、完全に無保証ですし、あくまでも1ユーザ(ちゃんと自分で支払ってますよ)としての立ち位置でのメモですので、くれぐれもサポートなどに問い合わせを頂かないよう理解頂ければ幸いです。

それでははじめていきましょう。
手順は、スワップパーティションを削除してFreeBSDのインストールイメージを展開し、GRUBからインストーラーを起動し、インストールを行うというものです。

  1. 設定情報をメモする
  2. インストールを開始するにあたり、まず設定情報をメモします。 必要なのは、ホスト名、デフォルトルーター、IPアドレス、ネットマスク、ネームサーバです。
    ホスト名 www30xxu.sakura.ne.jp
    デフォルトルータ 59.106.176.1
    IPアドレス 59.106.176.xx
    ネットマスク 255.255.254.0
    ネームサーバ 210.188.224.10
    210.188.224.11

    [root@www30xxu ~]# cat /etc/resolv.conf
    nameserver 210.188.224.10 ← ネームサーバ
    nameserver 210.188.224.11
    search sakura.ne.jp
    [root@www30xxu ~]# cat /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
    DEVICE=eth0
    IPADDR=59.106.176.xx ← IPアドレス
    NETMASK=255.255.254.0 ← ネットマスク
    GATEWAY=59.106.176.1 ← デフォルトルーター
    ONBOOT=yes
    [root@www30xxu ~]# hostname
    www30xxu.sakura.ne.jp ← ホスト名
    [root@www30xxu ~]#


  3. OSを初期状態に戻す
  4. コンパネにログイン(会員メニューからの場合はhttps://secure.sakura.ad.jp/menu/service/?mode=S1010より)し、「OS再インストール」よりOSを初期状態に戻します。
    これは必ずしも必要な作業ではありませんが、いろいろと設定変更している場合には実施したほうがよいと思います。

  5. スワップパーティションを削除
  6. /etc/fstabを開いてスワップパーティションをコメントアウトし、再起動します。

    /etc/fstab


    LABEL=/ / ext3 defaults 1 1
    LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2
    tmpfs /dev/shm tmpfs defaults 0 0
    devpts /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0
    sysfs /sys sysfs defaults 0 0
    proc /proc proc defaults 0 0
    #LABEL=SWAP-vda3 swap swap defaults 0 0 ← ここをコメントアウト

    再起動せずにswapoff -aを実行するだけでもよいかもしれませんが、再起動したほうがより安全でしょう。

    スワップの削除が完了すれば、fdiskを実行してスワップパーティションをFreeBSDに変更し、もう一度再起動します。

    [root@www30xxu ~]# fdisk /dev/hda
    Command (m for help): t ← パーティションのシステムIDを変更
    Partition number (1-4): 3 ← パーティション3を選択(旧スワップパーティション)
    Hex code (type L to list codes): a5 ← パーティションをFreeBSDに変更
    Changed system type of partition 3 to a5 (FreeBSD)

    Command (m for help): a ← パーティションのBootフラグを設定
    Partition number (1-4): 3 ← パーティション3を選択(旧スワップパーティション)

    Command (m for help): p ← パーティション一覧を表示

    Disk /dev/hda: 21.4 GB, 21474836480 bytes
    255 heads, 63 sectors/track, 2610 cylinders
    Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes

    Device Boot Start End Blocks Id System
    /dev/hda1 * 1 13 104391 83 Linux
    /dev/hda2 14 2355 18812115 83 Linux
    /dev/hda3 * 2356 2610 2048287+ a5 FreeBSD ← FreeBSDに変更できたのを確認

    Command (m for help): w
    The partition table has been altered!

    Calling ioctl() to re-read partition table.

    WARNING: Re-reading the partition table failed with error 16: Device or resource busy.
    The kernel still uses the old table.
    The new table will be used at the next reboot.
    Syncing disks.
    [root@www30xxu ~]# reboot ← 再起動

  7. スワップパーティション跡にOSのインストールイメージを展開
  8. まずFreeBSDのインストールイメージをダウンロードします。
    ここでポイントは、memstick.imgというUSBメモリインストール用イメージをダウンロードしてくるということです。
    ISOファイルの場合は、一度展開して自分でディスクイメージを作る必要があります。

    今回は、FreebSD 8.1のi386版をダウンロードしました。
    パフォーマンスだけでいえばamd64版の方が良いかもしれませんが、メモリやハードディスクを食いますので、ケースバイケースで使い分けしてください。

    [root@www30xxu ~]# wget ftp://ftp8.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ISO-IMAGES-i386/8.1/FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img
    --2010-09-04 10:17:03-- ftp://ftp8.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ISO-IMAGES-i386/8.1/FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img
    => `FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img'
    Resolving ftp8.jp.freebsd.org... 210.224.179.153
    Connecting to ftp8.jp.freebsd.org|210.224.179.153|:21... connected.
    Logging in as anonymous ... Logged in!
    ==> SYST ... done. ==> PWD ... done.
    ==> TYPE I ... done. ==> CWD /pub/FreeBSD/ISO-IMAGES-i386/8.1 ... done.
    ==> SIZE FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img ... 948244480
    ==> PASV ... done. ==> RETR FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img ... done.
    Length: 948244480 (904M)

    100%[================================================>] 948,244,480 9.86M/s in 96s

    2010-09-04 10:18:39 (9.41 MB/s) - `FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img' saved [948244480]

    次に、先ほどFreeBSDパーティションへ変更したhda3にインストールイメージを展開します。

    [root@www30xxu ~]# dd if=FreeBSD-8.1-RELEASE-i386-memstick.img of=/dev/hda3
    1852040+0 records in
    1852040+0 records out
    948244480 bytes (948 MB) copied, 13.4296 seconds, 70.6 MB/s
    [root@www30xxu ~]#

  9. GRUBを変更
  10. GRUBを変更して、hda3から起動できるように設定します。
    具体的には、/boot/grub/menu.lst に次の項目を追記します。

    title FreeBSD Install
            rootnoverify (hd0,2)
            chainloader +1
    

  11. VNC(リモートデスクトップ)を起動
  12. さくらのVPSには、非公式ながらVNC機能が備わっています。
    コントロールパネルにログインした状態で、以下のURLを開けばVNCウィンドウが立ち上がります。

    VNCのURL: https://secure.sakura.ad.jp/vpscontrol/main/vnc
    20100904-1.jpg

    ※MacBookでUS-Keyboardだと、ブラウザのTightVNC Java Viewerで入力できない文字があるそうなので、その場合はJISキーボードを接続すると回避できるそうです。 by @utaaniさん

  13. 再起動してインストーラーを起動
  14. ここからは、リモートコンソール(シリアルコンソール)ではなく、VNC画面での作業が必須です。
    OSを再起動し、VNC画面内でGRUBメニューを開いてインストーラーを起動します。
    手順は以下の通り。

    Press any key to continue. の画面で、何かキーを押す
    20100904-2.jpg

    Booting CentOSの画面で、何かキーを押す
    20100904-3.jpg

    GRUBのメニューにて、FreeBSD Installを選択する
    20100904-4.jpg


  15. 通常通りにインストールを行う
  16. ブートローダーが起動して、インストーラーが起動すればひとまずは成功です。
    20100904-5.jpg 20100904-6.jpg

    ここからは、通常のインストール手順です。
    私は、Standardを選択して進めました。

    FDISKが起動されると、ext2fsが2つとfreebsdが1つあるはずです。
    20100904-7.jpg

    これらをすべて削除します。
    20100904-8.jpg

    その後、a キーを押しパーティションすべてをFreeBSDで利用します。
    ここで w キーを押してパーティション情報を保存するとインストールに失敗しますので、そのまま q を押してディスクラベルエディターへ進みます。
    20100904-9.jpg

    ディスクラベルを編集します。
    私は a キーを押して、自動でパートわけしました。
    ここでも、w キーは押さずに次へ進みます。
    20100904-10.jpg

    インストールメディア選択では、2番目の「FTP」を選択します。
    20100904-11.jpg

    FTPサイトは、ftp8.jp.freebsd.orgを選択します。
    このサイトはさくらインターネットが運営しているFreeBSD公式サイトですので、大変スムーズにダウンロードできます。
    20100904-12.jpg

    ネットワーク設定画面では、先ほどメモしたネットワーク情報を入力します。
    ここで注意すべきは、ネットマスクです。255.255.255.0ではなく255.255.254.0ですので、くれぐれも間違えないようにしてください。
    20100904-13.jpg

    最終メッセージが出てくれば、インストール実行です。
    これを行うと、CentOSはすべてなくなってしまいますので、十分に注意してください。
    20100904-14.jpg

    無事インストールが開始されました。
    20100904-15.jpg

    ファイルコピー終了後に、私はSSHのみ有効にしました。
    20100904-16.jpg

  17. 無事インストール完了!
  18. 無事インストールが完了しました。
    20100904-17.jpg
    あとは、SSHでリモートログインができるように設定すれば、完了です。

    なお、さくらのVPSのリモートコンソール(シリアルコンソール)機能はFreeBSDで安定しないので、シリアルコンソール設定はせずにVNCで対応頂ければ幸いです。

さくらのVPSと互換の実験環境ではWindows(XP / Vista / Server 2008)のインストールもできましたので、もしかしたら可能かもしれませんね。
※ただしWindowsのデスクトップ向けOSは仮想環境で動かせるライセンスが無いようですので、インストールして利用してしまうとライセンス違反になりますからご注意ください。

以上、FreeBSDのインストールでした。
しつこいようですが、公式にはFreeBSDは使えないことになっていますので、その点はご理解いただければ幸いです。

今後、公式なOSインストール機能も予定しており、IPアドレス逆引きや、IPv6対応、上位プラン(できればCPU占有プラン)などのアナウンスもできるかと思いますので、全ての環境をさくらのVPSでということも可能になります。
これからも、さくらインターネットおよびさくらのVPSを、どうぞよろしくお願いします。

本日より、さくらインターネットの新しい柱となる仮想化サービスの第一号として、さくらのVPSを販売開始することとなりました。

さくらのVPS お申し込み受付開始のお知らせ

皆様からは「えっさくらがVPSをやるの?」という声も多く頂いており、その反響の大きさに驚いています。
そもそも、昨年あった@ITの取材においては「劣化専用サーバとなるVPSはやらない」と豪語しており、同業者の会合でも「さくらはVPSやらない」と宣言していました。

大阪・堂島に、さくらインターネットの秘密を見た ?自前だからできる本当の差別化
http://www.atmarkit.co.jp/ad/sakurainet/200905/doujima.html

その理由としては、仮想化を行うより、専用サーバでとことん安くしたほうが良いのではないかという考えがあります。
コンソール機能や再起動などはIPMI(Keyboard VGA Mouse = KVM)によって専用サーバでも実現できますし、さくらの専用サーバについては、翌営業日納品も実現していますから、仮想サーバで無いとできないと思われていることも実現が進んできています。
また、仮想化することはオーバーヘッドを生むことにもつながり、CPUパワー度無駄にする側面もあります。

しかし、仮想化には代えがたい優位性があることも事実です。
例えば、専用サーバアドバンスドプランのQuadCore Xeon×2CPU構成の場合、初期費用無料で月額35,800円ですが、仮想化して8分割すれば1コアあたり4,475円となります。低価格専用サーバはAtom Z530を4,500円程度+初期費用で提供予定でしたが、ATOMの1コアとXeonの1コアだと仮想化のオーバーヘッドを考えてもXeonのほうが高速であり、さらには安価に提供できるという状況になってしまいます。
私自身がやっている某サイト(とある櫻花の画像生成)においても、データベースやリバースプロキシ、画像配信などを、仮想化を使って複数のサーバに分けて運用することにより、アクセス急増時も効率よくサーバ運営が出来たという経験があり、比較的安価にサーバ分割が出来る仮想化の利便性を知ることになりました。

結局、既存形態のサービスに固執するがあまり、さくらインターネットが本来強みとしていたITリテラシの高いユーザへのサービスへの魅力が薄れ、そのようなユーザが海外のクラウドや格安VPSへ流出し始める状況に至ります。

このような事から、仮想化の推進を行い、さらにVPSやIaaSへの拡大を進めていくことを決断し、第一号としてさくらのVPSを提供開始することとなりました。
4月末に「VPSやるぞ。でも全て自社開発で」と突然言い出してから、2カ月程度でベータ提供にこぎつけたのは社員の頑張りのおかげでもあり、大変感謝しています。
今後は、専用サーバのさらなるスペックアップと並行して、仮想化による柔軟性や手軽さを追求したサービスを拡大していきます。

なお、さくらのVPSの登場で既存の専用サーバが売れなくなるのではという意見もあります。
この意見については当然の事ですし確かに大きな影響があると考えていますが、今回のVPSを始めるにあたってはそのような影響を一切無視してサービスづくりを行いました。
専用サーバが売れなくなるのであれば、それは専用サーバの魅力が薄れていただけの話であり、その様なサービスは遅かれ早かれ他社(または海外)に駆逐されるだけだと考えています。

先にシェアを取っている会社は常に既存の売り上げとのバランスを考えがちです。
しかし、さくらのレンタルサーバにしても、専用サーバプラットフォームSTにしても、常に既存の売り上げに固執せず、新しい柱を創ることへ注力してきました。
ですので、今後も性能、品質、サポート、価格など全ての面に妥協することなく、さくららしいサービスを創っていくことを皆さんにお約束します。

ところで、さくらインターネットでは石狩へのデータセンター建設を進めております。
クラウド化する中で、インフラのコストパフォーマンスはさらに重要になってきており、高いコストパフォーマンスを実現できる理由としてのインフラ追求はますます必要です。
しかしながら、重要なのはインフラだけでなく上に乗るサービス自身もだと考えています。
今後は、インフラに、サービスに、全てのレイヤーを自前で行えるという強みを伸ばし、さらなるサービス拡充に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

自己紹介

本名:田中邦裕/1978年生まれ
1996年にさくらインターネットを創業しホスティングサービスを開始。 98年に有限会社インフォレスト(2000年に解散)設立後、翌年にさくらインターネット株式会社を設立して社長に就任。
05年に東証マザーズに上場
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