先日より、中間決算における特別損失発生および債務超過に至った件について、大変ご心配をおかけしておりましたが、一昨日発表のとおり双日株式会社への第三者割当増資によって財務状況の改善が行える見込みとなりました。
既存株主の皆様には大変ご迷惑をおかけすることになりますこと、改めてお詫びいたします。今後は、利益を確実に積み上げることこそ、今回の増資に理解頂く為の重要なプロセスであると認識し、全力で経営に取り組むことを約束致します。
→ 資本提携に関する基本合意締結のお知らせ - 2007/12/27
→ 第三者割当による新株式発行に関するお知らせ - 2008/01/25
今回の増資については、下方修正の発表前より複数の相手先と交渉を開始させて頂いており、商社以外にも、同業者、その他IT系の企業や、ファンドなど、広くコンタクトを取り、条件の調整を行っておりました。
その過程において大前提とさせて頂いたのは、本業であるデータセンター・ホスティングサービスに対するインパクトを限りなく0にしなければならないと言うことでした。
その為、大きな事業構造の変化が起こりえるファンドや、現場の混乱を招きかねない同業者ではなく、また顧客獲得や解約等に影響が出ないよう第三四半期末(12月末)までに基本合意の可能な、相手先ということで絞込みをさせて頂きました。
また、増資後の持分比率が1/3を超えず、且つ直近の平均株価を上回る価格で引き受けて頂けることも前提とさせて頂いておりました。
これらは、債務超過状態にある当社にとって、かなり強気な条件ではありますが、今後も継続的に本業分野を成長させていただくために、絶対に譲れない条件であるとの認識の下で交渉をさせて頂きました。その結果、以前より協力関係を模索し、当社の強みを理解し評価頂いておりました双日株式会社へ割り当てを行うこととなりました。
当社の中間決算発表時の流動比率は単体で38.9%まで低下しており、今回の債務超過に伴う資金調達の困難さによって事業継続性が危ぶまれる状況に陥っておりましたが、短期借入金および一年以内返済予定の長期借入金を合計した10億円弱について、今回の増資により調達ができることから、全く心配をおかけすることのない状況となります。
ちなみに、2007/4?2007/9の営業キャッシュフローは、約4億7千万円のプラスであり、例えば投資を控えて返済を続けるとすれば、今回の第三者割当増資が無くとも1年から2年で危機は脱出できるとの試算も行っておりましたが、この営業キャッシュフローは、お客様がこれまでどおりの増加を続けることが前提であり、投資を控えながら、また信用不安を抱えながらの達成は、リスクが高すぎるとの経営判断を行いました。
今後、第三者割当増資で得た10億円および半年で5億円近く得られる営業キャッシュフローを最大限活用し、投資を減速させること無く、さらに健全な財務状況に向かえるように致します。
平成20年3月期 中間決算 貸借対照表(抜粋) 単位千円
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平成20年3月期 中間決算財務・業績の概況より | |||
流動資産 | 1,209,236 | 流動負債 | 3,110,107 |
(短期借入金) | 656,668 | ||
(一年以内返済予定の 長期借入金) | 316,039 | ||
固定資産 | 3,577,916 | 固定負債 | 1,711,682 |
負債純資産合計 | 4,821,789 | ||
純資産合計 | - 34,636 | ||
資産合計 | 4,787,152 | 負債純資産合計 | 4,787,152 |
収益面につきましては、当社の本業にシナジー効果の薄い、システムソリューション事業やコンテンツ配信事業の整理が必要であり、既に株式会社カイロスおよび株式会社DOMIRUの2社については持分の売却を完了しました。今後も、関連会社の整理、および新規事業の整理が必要不可欠であると考えております。
本業分野については、発表のとおり堅調に推移しており、目立った解約の増加や新規獲得の鈍化などもありません。ひとえに、さくらインターネットのサービスへ信頼を頂いております、お客様のおかげであると思っております。
当社の場合は、非常に追い風のデータセンターサービスに加えて、サーバサービスや運用保守サービスにも強みを持っており、大変成長の見込まれる分野を本業としております。上記のとおり、危機的な状況を早期に解消し、また本業回帰の方針によって、経営リソースを本業に集中させられる環境を手にしたことから、今まで以上に健全に成長を加速させられる状況となりました。
もちろん、オンラインゲームや子会社、関連会社など、まだまだ対処すべき課題も多く、また本業においても厳しい競争環境下でもあり、さらなる変革を求められています。
決して、のんびりできる状況ではないと言うことを社員一同改めて認識し、皆様にもっと支持頂けるさくらインターネットへ発展し続けますので、皆様のご支援をよろしくお願い致します。