ロードバランサ
構成例
構成例 1:Webサーバの負荷分散
ルータ+スイッチ機能で割り当てられたお客様独自のIPアドレス帯域に接続されている複数のWebサーバを
冗長構成のロードバランサで負荷分散する場合の例です。
※ 本マニュアルにおけるロードバランサの追加・設定は構成例1の設定を例に解説しています。
構成例 2:データベースの負荷分散
スイッチ機能でプライベートネットワーク環境を作成し、ロードバランサでWebサーバのバックエンドとなる
データベースサーバの負荷分散する場合の例です。
ロードバランサの追加・設定
注意事項
- 以下の設定手順は構成例1の設定を例に解説しています。
クラウドコントロールパネルログイン
クラウドコントロールパネルへログインします。
ルータ+スイッチまたはスイッチの作成
さくらのクラウド環境内へロードバランサを導入する場合、必ず「ルータ+スイッチ」または「スイッチ」で構成されたネットワークが必要となります。
- 既に「ルータ+スイッチ」または「スイッチ」をご利用の場合はSTEP3へ。
- ご利用でない場合はルーター・スイッチの作成をご参照ください。
サーバのネットワーク設定
DSR構成でのロードバランシング動作が行われるように、サーバ側でのネットワーク設定が必要となります。
設定手順や設定項目については、一般的なDSR構成ロードバランサ導入時と同様です。
※ 設定は全てのサーバに適用する必要があります
※ 以下は CentOS6.3 の設定例となります
sysctl.confの設定追加
ループバックアドレスに設定した仮想IPアドレスでARPリクエストに応答しないよう、カーネルパラメータを設定します。
1. /etc/sysctl.conf を viコマンド で開いて編集します。
# vi /etc/sysctl.conf
2. 以下の設定を追記します。
net.ipv4.conf.all.arp_ignore = 1
net.ipv4.conf.all.arp_announce = 2
3. sysctl.conf の設定内容を反映します。
# sysctl -p
ループバックアドレスの追加
新たにlo:0デバイスを作成し、仮想IPアドレスを設定します。
1. /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-lo:0 を viコマンド で実行して作成します。
# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-lo:0
2. 以下の設定を記載します。
DEVICE=lo:0
IPADDR=133.242.38.168
NETMASK=255.255.255.255
※ 2行目のIPアドレスにはロードバランサの仮想IPアドレスを記載してください。
3. ファイル作成後、ネットワーク設定を反映します。
# ifup lo:0
現在のネットワークの確認
コントロールパネル上部のメニュー「ネットワーク」をクリックし、ロードバランサを追加したいスイッチ名をダブルクリックします。
「サーバ」タブをクリックし、接続されているサーバを確認します。
下記画面では構成例1のロードバランサ追加前の状態(Webサーバが2台スイッチに接続されている状態)である事が確認できます。
※「マップ」タブをクリックし、スイッチとサーバの接続マップを確認することもできます。
ロードバランサの追加
画面上部のメニューより「アプライアンス」をクリックし、「追加」ボタンをクリックします。
設定項目を入力・選択し、作成ボタンをクリックします。
接続先スイッチ | ロードバランサを接続したいスイッチを選択します。 |
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冗長化 | 冗長化の有無を選択します。 |
VRID | 「Virtual Router ID」を入力します。 ネットワーク内に設置するロードバランサが1台の場合は 1 となります。 |
IPv4アドレス #1 | 接続先のIPアドレスを入力します。 |
IPv4アドレス #2 | ※冗長化を「はい」にした場合にのみ表示されます。 接続先のIPアドレスを入力します。 |
ネットマスク | ネットマスクを選択します。 |
ゲートウェイ | ゲートウェイのIPアドレスを入力します。 |
説明 | 説明をご自由に入力ください |
ロードバランサの仮想IPアドレス設定
ロードバランサ一覧画面で該当のロードバランサをダブルクリックします。
「VIP設定」のタブをクリックし、「追加」ボタンをクリックします。
仮想IPアドレス追加画面が表示されるので、各項目を入力して「作成」ボタンをクリックします。
VIPアドレス | 仮想IPアドレスを入力します。 |
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ポート番号 | ポート番号を入力します。 |
チェック間隔(秒) | 実サーバのサービス稼働状況の監視間隔を入力します。 |
※作成した仮想IPアドレスは詳細画面にてタブが新たに表示されます
仮想IPアドレスへの実サーバ登録
これまで設定した仮想IPアドレスにロードバランシング対象となる実サーバを登録します。
ロードバランサの詳細画面にて作成した仮想IPアドレスのタブを開き、「追加」ボタンをクリックします。
各項目を入力・選択し、「追加」ボタンをクリックします。
IPアドレス | ロードバランシング対象となる実サーバのIPアドレスを入力します。 |
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ポート番号 | ポート番号を入力します。 |
監視方法 | 監視方法は http、ping、tcp が選択できます。 ※Webサーバの冗長化をする場合、httpを選択することで指定したパス・レスポンスコードによる死活監視が行えるため、より確実な監視にすることができます |
パス | ※監視方法をhttpにした場合にのみ表示されます。 監視対象のパスを入力します。 |
レスポンスコード | ※監視方法をhttpにした場合にのみ表示されます。
想定するレスポンスコード(ステータスコード)を入力します。 |
設定内容の反映
ロードバランサの設定は即時反映されない仕様となっています。
設定の追加や変更を行った後は、必ず「反映」ボタンをクリックしてください。
ロードバランサの画面を開き、「反映」をクリックします。
ロードバランサの動作状況確認
実サーバの動作状況
仮想IPアドレスとして設定したIPアドレス名のタブより、その配下で動作する実サーバの動作状況を確認できます。
ステータス | 指定した監視方法により、実サーバでのレスポンスが正常であれば「UP」、異常があれば「DOWN」が表示されます。 |
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コネクション数 | ロードバランサーがハンドリングしているEstablish状態のtcpコネクション数の現在値が表示されます。 |