本日、さくらのVPSからさくらのクラウドへのマイグレーション機能をベータ版として提供開始しました。
 
今回の機能追加により、コントロールパネルのアーカイブ作成画面で、さくらのクラウドと同一の会員IDでご契約中のさくらのVPSのディスクがソースとして選択できるようになりました。これにより作成したアーカイブをソースとしてディスクを作成し、さくらのVPSで使用していたディスクイメージをそのままに、さくらのクラウド上で使用することが可能となります。

提供価格

さくらのVPSからコピーしたデータは一旦アーカイブとして保存するため、「アーカイブ」機能の利用料金が必要となります(さくらのVPSからのコピーそのものは無料です)。保存に必要なアーカイブ容量はコピー元となるさくらのVPS利用プランにより異なります。

ベータ提供期間の制約について

さくらのVPSからのコピーに関わる機材や通信回線の能力評価のため、当初はベータ版として提供させていただくこととなりました。多くのお客様よりご利用いただいてる場合はコピー完了時間が長時間に及ぶ可能性がありますのでご了承ください。
 
なお、ベータ期間は1か月程度を見込んでおり、利用状況により適宜設備の増強を行った上で正式公開をお知らせする予定です。

「さくらのVPS」ディスクをソースとしたアーカイブの作成手順

最初に、コピー元としたいさくらのVPS契約の会員IDと同じ会員IDでさくらのクラウドのコントロールパネルにログインします。コピー元としたいさくらのVPS契約の会員IDとコントロールパネルへのログイン時に使用する会員IDが異なる場合はコピーすることができませんのでご注意ください。また、現在さくらのクラウドに契約のないお客様はこちらの電話認証より開始手続きを行ってください。
 
ログイン後、画面の上のメニューより「ストレージ」、左側のメニューより「アーカイブ」を選択し、「アーカイブ一覧」画面を表示します。この画面右上の「追加」ボタンをクリックし、さくらのVPSディスクからのアーカイブ追加を開始します。

cp1a
 
アーカイブ追加画面では、アーカイブソースとして「VPSディスク」のボタンをクリックします。「VPSディスク」が選択状態になると、下のポップアップメニューが「VPS選択」となり、コントロールパネルにログイン中の会員IDで契約されたさくらのVPSのディスク一覧が表示されます。ここでコピーしたいディスクを選択します(ご利用中のプランにより、1台のサーバにつき複数台のディスクが表示される場合があります)。

cp2a
 
必要に応じて名前や説明欄を入力後、右上の「作成」をクリックし、さくらのVPSからのディスクコピーを開始します(多数のユーザがコピー実行中の場合などは混雑中は順番待ちの人数が表示され、完了までに時間がかかる場合があります)。

cp3a
 
コピーが完了すると、アーカイブ一覧に今回作成したアーカイブが表示されます。

cp4a
 
アーカイブの作成完了後は、アーカイブからディスクを作成して既存のサーバに接続したり、サーバ作成時にアーカイブからディスクを作成することが可能です。

cp5a

注意事項

■ さくらのVPSでご利用中のIPアドレスと同一のIPアドレスをさくらのクラウドで使用することはできません。
■ さくらのVPSでは、プランや提供開始世代によりパーティション管理にGPTを使用しています(サービス名に”v3″を含むものが該当します)が、この場合ディスク修正機能は使用できません。
■ virtio非対応OSでは、ディスク接続方式にvirtioを選択して起動するとカーネルパニックとなります。この場合は接続方式をIDEに設定してください。
■ CentOS5.9などの一部OSでは、ディスク修正を行わずに起動すると15分程度応答が無くなる場合があります。ディスク修正を実行する、もしくはあらかじめシングルユーザモードで各インタフェースのIPアドレスを変更することで回避されます。

 

本日、新機能「スタティックルーティング機能」をリリースしましたのでお知らせします。
 
これまでグローバルIPアドレスブロック利用時は「スイッチ+ルータ」機能に付属のルータによるルーティングが必須でしたが、スタティックルーティング機能を利用することにより、IPアドレスブロックのスタティックルートを任意のサーバに設定することが可能となりました。これにより、

  • 複数枚のNICを割り当てたLinuxルータにスタティックルートを設定し、配下のサーバにグローバルIPアドレスを割り当てる。
  • 1台のWebサーバに複数のグローバルIPアドレスを割り当て、IPアドレスベースのバーチャルホスト環境を構築し複数のSSLサイトを運用する。
  • ソフトウェアルータVyattaのファイアウォール機能やVPN機能を活用し、グローバルIPアドレスを割り当てるDMZを加えたネットワークを構築する。

など、より柔軟なネットワーク構成が可能となります。

■提供価格

割当IPアドレス個数ごとに以下の料金となります。
 

プリフィックス(割当IPアドレス個数) 月額税込料金(※)
/28(16IP) 3,360円
/27(32IP) 6,720円
/26(64IP) 13,440円
/25(128IP) 26,880円
/24(256IP) 53,760円

※本機能は末日締めの1か月単位の課金となり、1日単位の日割計算はされません

■コントロールパネルからの利用手順

1. ルータ+スイッチの作成

スタティックルーティング機能を使用するには「ルータ+スイッチ」が必要となります。これまでと同様の手順でルータ+スイッチを作成し、スイッチ配下にスタティックルートを割り当てるサーバ(※)を追加します。
すでに作成済みのルータ+スイッチがあれば、こちらにスタティックルーティング機能を利用して割り当てるIPアドレスブロックを追加することも可能です。
 
※アプライアンス「ロードバランサ」機能へのスタティックルート設定は近日対応予定です

2. スタティックルーティングするIPアドレスブロックを追加

スイッチの「IPアドレス」タブを開くと、右下に「スタティックルート追加」ボタンが表示されます。

sw-ipaddr_2

 

「スタティックルート追加」ボタンをクリックすると、新たにスタティックルートで割り当てるIPアドレスブロックを指定するダイアログボックスが表示されます。

static-route-add-dialog

 

「プリフィックス」で必要な範囲のIPアドレスブロックを選択し、ネクストホップに「ルータ+スイッチ」配下に接続したサーバを指定し「追加」ボタンをクリックします。追加が完了すると先ほどのIPアドレス画面上部に新たなIPアドレスブロックのボタンが表示されます。

sw-ipaddr-static-route-added_2

※スタティックルーティング機能で追加可能なIPアドレスブロックは、ルータ+スイッチ1個につき4ブロックまでとなります

 

追加したIPアドレスブロックのボタンをクリックすると、「ルータ+スイッチ」のIPアドレス一覧画面と同様の画面が表示されます。リスト上部には、IPアドレスブロックのネットワークアドレスとプリフィックス、ネクストホップに設定されているIPアドレスが表示されます。

sw-ipaddr-static-route-added2_2

3. IPアドレスの逆引き登録

「ルータ+スイッチ」と同様、追加したIPアドレスブロックのIPアドレスに逆引き登録ができます。
IPアドレスリスト右側の鉛筆アイコンをクリックするとダイアログボックスが表示されるので、入力フォームに逆引き登録したいホスト名を入力し「更新」ボタンをクリックします。

hostname-rev_

※正引き設定されていない場合は逆引き登録ができません

4. ネクストホップの変更

追加したIPアドレスブロックのIPアドレス一覧画面右下の「ネクストホップ変更」ボタンをクリックすることで、ネクストホップを他のIPアドレスへ変更することができます。

nexthop-renew_

ポップアップメニューより変更したいIPアドレスを選択し、「変更」ボタンをクリックすることで変更が完了します。

5. スタティックルーティング用IPアドレスブロックの削除

削除したいIPアドレスブロックのIPアドレス一覧画面を表示し、右下の「削除」ボタンをクリックしてください。
削除したIPアドレスブロックを割り当てたサーバは外部ネットワークから接続ができなくなるのでご注意ください。

■サーバ側の設定

ここでは、いくつかの一般的な構成例での設定方法を簡単にご紹介します。設定例として使用するネットワークは以下の通りとします。

ルータ+スイッチ IPアドレスブロック 198.51.100.0/24
ルータ+スイッチ ゲートウェイ 198.51.100.1
スタティックルーティング IPアドレスブロック 203.0.113.0/24
スタティックルーティング ネクストホップ 198.51.100.2

1. CentOS6.4サーバをルータにする

CentOS6.4サーバをルータにして、配下にWebサーバとDNSサーバを接続する構成とします。ネットワーク図は以下の通りです。

centos-router2_2

 

この構成で必要なものは以下の通りです。

・ルータ+スイッチ 1個
・ルータ用CentOSサーバ 1台
・CentOSサーバ用追加NIC 1枚
・スタティックルーティング用IPアドレスブロック 1個
・Webサーバ, DNSサーバ 各1台

それぞれを作成し、ネットワーク構成図のとおりNICとスイッチを接続します。

CentOSルータのネットワーク設定

●eth0インタフェース(IPアドレス:198.51.100.2)の設定

 

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0を以下のように編集します。


DEVICE=eth0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
TYPE="Ethernet"
NETMASK=255.255.255.0
GATEWAY=198.51.100.1
IPADDR=198.51.100.2

 

●eth1インタフェース(IPアドレス:203.0.113.1)

 

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1を以下のように編集します。


DEVICE=eth1
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
TYPE="Ethernet"
NETMASK=255.255.255.0
IPADDR=203.0.113.1

 

●NIC間IPパケット通過を有効化

 

2個のNIC間でIPパケットが通過するように設定します。


# sysctl -w net.ipv4.ip_forward=1

 

また、再起動後にも設定されるように/etc/sysctl.confのnet.ipv4.ip_forward行を以下の通り変更します


net.ipv4.ip_forward = 1

Webサーバ・DNSサーバのネットワーク設定

●eth0インタフェース(IPアドレス:203.0.113.2)

 

Webサーバの/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0を以下のように編集します。


DEVICE=eth0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
TYPE="Ethernet"
NETMASK=255.255.255.0
IPADDR=203.0.113.2

 

また、DNSサーバの/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0を以下のように編集します。


DEVICE=eth0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
TYPE="Ethernet"
NETMASK=255.255.255.0
IPADDR=203.0.113.3

 

●デフォルトゲートウェイ

 

Webサーバ、DNSサーバそれぞれの/etc/sysconfig/networkを以下のように編集します。ゲートウェイはCentOSルータのeth1のIPアドレスとなります。


NETWORKING=yes
NETWORKING_IPV6=yes
HOSTNAME=routertest
GATEWAY=203.0.113.1

 

設定後、ネットワークサービスを再起動します。


# service network restart

 

グローバル側のホストにpingを打ち、ルータ外部と疎通が取れることを確認します。


# ping www.sakura.ad.jp
PING www.sakura.ad.jp (210.224.168.100) 56(84) bytes of data.
64 bytes from www.sakura.ad.jp (210.224.168.100): icmp_seq=1 ttl=56 time=27.3 ms
64 bytes from www.sakura.ad.jp (210.224.168.100): icmp_seq=2 ttl=56 time=27.3 ms
...

2. CentOS6.4サーバにIPアドレスブロックすべてのアドレスを割り当てる

スタティックルーティング機能で割り当てたIPアドレスブロックをすべてCentOS6.4に割り当てる例です。ネットワーク図は以下の通りです。

centos-multi_4

この構成で必要なものは複数IPアドレスを割り当てるサーバ1台のみで、スイッチや追加NICは必要ありません。

ネットワーク設定

追加するIPアドレスはループバックインタフェースのエイリアスとして設定します。/etc/sysconfig/network-scripts以下に、追加するIPアドレスの個数分の設定ファイルを作成します。

 

●/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-lo:0


DEVICE=lo:0
ONBOOT=yes
BOOTPROTO=static
IPADDR=203.0.113.0
NETMASK=255.255.255.255

 

●/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-lo:1


DEVICE=lo:1
ONBOOT=yes
BOOTPROTO=static
IPADDR=203.0.113.1
NETMASK=255.255.255.255

 

同様に追加する他のIPアドレスの分、ファイルを作成します。作成後ネットワーク設定を反映し、外部から各IPアドレスに接続できることを確認します。

3. Vyattaでルータを構築する

高機能なソフトウェアルータであるVyattaを使用した場合の設定例です。さくらのクラウドでは最新版のVyatta Core6.5 R1のISOイメージ、アーカイブを用意していますので、お気軽にご利用いただけます。今回は1で例示したCentOSをVyattaに置き換えた構成例とします。ネットワーク図は以下の通りです。

vyatta-router_2

CentOSルータをVyattaに置き換えた以外、必要なスイッチやNIC、サーバの個数は同じです。

Vyattaでのコマンド操作例

Vyattaにログイン後、以下のコマンドを設定します。なお、VyattaではデフォルトでSSHサービスが停止しているため、初回はリモートスクリーン画面より操作を行います。

 

●SSHサービスの開始

 

リモートよりSSH接続をして作業が行えるようにSSHサービスを起動します。


$ configure
# set service ssh
# commit

 

これでVyattaにSSHログインしての作業が行えるようになります。

 

●eth1インタフェース(IPアドレス:203.0.113.1)

 

Vyatta作成時にディスク修正機能を使用している場合はeth0側のネットワーク設定は完了しているので、eth1側にスタティックルーティング用IPアドレスブロックのネットワーク設定を行います。


$ configure
# set interfaces ethernet eth1 address 203.0.113.1/24
# commit

 

これでVyattaがルータとして機能するようになりました。

Webサーバ・DNSサーバのネットワーク設定

こちらは1の設定と同様です。設定後、外部にpingを打ち、応答があることを確認してください。

 

—————

スタティックルーティング機能により、さくらのクラウド上に構築可能なネットワーク構成の幅が大きく広がりました。クラウドへの移行を諦めていた大規模なネットワークを実環境でご利用中のお客様も、ぜひご検討いただければと思います。

さくらのクラウドでは、旧ストレージご利用中のお客様向けに、旧ストレージから新ストレージへの移行が簡単に行えるディスクコピー機能を提供しています。こちらについて本日機能の強化を行いましたのでお知らせします。

■250GB以上のディスクコピーに対応

これまで100GBプランまでの容量のディスクのみに対応していましたが、本日よりディスク容量の上限を撤廃し、250GB以上のプランのディスクについても新ストレージへの移行が可能となりました。
 
コントロールパネルからのディスクコピー操作手順についてはこれまでと同様です。詳しくは旧ストレージから新ストレージへの移行方法の記事をご参照ください。
 
※250GB以上のディスクコピーを実行した場合、旧ストレージの性能上完了までに時間がかかる場合があります

■コピー進行状況の表示

ディスクコピー実行中、完了までの残り時間表示をステータス欄へ追加しました。
 
●ディスク情報画面
disk-detail2
 
●ディスク一覧画面
disk-list2
 
※残り時間はおおよその予測時間のため誤差が生じる場合があります
※多数の同時利用があった場合など、システム混雑時はステータスが「待機中」となる場合があります
 

現在、ログイン時にデフォルトで表示される新コントロールパネルにつきましては、2月の正式サービス提供開始以来ご好評を頂いておりますが、このたび旧コントロールパネルの公開を終了し、新コントロールパネルのみの提供とさせていただく事となりました。
 
つきましては、以下日程にて旧コントロールパネルを廃止いたします。
 
廃止日: 2013年6月10日
 
廃止後はコントロールパネルログイン時に表示される「旧コントロールパネル」切替用のリンクボタンが表示されないようになります。
 
ご利用のお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。

補足: 旧コントロールパネル特有の機能をご利用のお客様へ

旧コントロールパネル廃止により下記の操作が行えなくなりますが、新コントロールパネルでも同等の機能を提供しております。

スナップショットの作成およびテンプレートの作成

旧コントロールパネルにて提供しておりました「スナップショットの作成」および「テンプレートの作成」機能は新コントロールパネルではご利用になれません。新コントロールパネルでは同等の機能が利用できる「アーカイブ」機能を提供しておりますのでこちらをご利用ください。

スナップショットからのロールバック

新コントロールパネルでは旧コントロールパネルで提供しておりましたスナップショットのロールバック機能は提供しておりません。サーバ作成時ディスク作成時の画面で、「ディスクソース」の項目で「アーカイブ」を選択し、作成済みのアーカイブをソースとしたディスクを作成する手順となります。

 

さくらのクラウドのコントロールパネルに新しい「マップ」機能を追加しました。
 
新しいマップ機能では、従来スイッチ表示画面で提供していた「マップ」表示を機能強化し、1画面内での複数スイッチ同時表示や、共用セグメント接続のサーバを含めたネットワーク接続図が表示できるようになりました(従来スイッチ表示画面で提供していた「マップ」は「トポロジ」に名称変更しました)。
 

 

新しいマップ機能では

  • ■作成済みのスイッチがすべて1つの画面に表示できます
  • ■共用セグメントに接続されているサーバも表示しました
  • ■画面内のスイッチやサーバをクリックすることで詳細情報が表示できます
  • ■スライダー操作により、大規模なネットワークでも縮小して表示ができます

といった機能があります。
 
自動的に接続マップが表示され、管理がより軽減される新マップ機能、大規模なネットワークを構成しているお客様にぜひとご活用いただければと思います。

 

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